入所手続きが終わると、新入受刑者のための生活区に収容し、新入時教育が2週間から3週間にわたり行われ、受刑者の行動の一切が刑務官によって観察される。この観察では身上調査や必要によっては心理学的調査、精神医学的診断が行われる。新入時教育では、受刑者の身上相談に応じるとともに、施設の方針や規則、日課を教え、不安や悩み、施設や社会に対する敵意などを除き、更生に向って努力する心構えをもたせるための大切な教育である。
新入時教育が終わった者は、職業訓練を重点とするグループ、生活指導を中心とするグループ、経理作業適格者グループなど、その受刑者にふさわしい処遇のグループに編入される。受刑者の処遇は加算、減点の数値の合計で分類区分を行い、努力する者は報いられるようになっている。 優遇区分には第1類の成績優良者12点以上の者、第2類は11点から6点の者、第3類は5点から0点までの者、第4類は-4点から-1点までの者、第5類は-5点以下の者に分かれている。
例えば、1類の者は成績優秀なので余暇時間にテレビは自由に見られ、面会は1ケ月に7回まで1回につき60分と長い面会時間が許され、手紙は1ケ月に10通まで、居室に親、兄弟、配偶者、子供などの写真を飾ることが許されている者は、2類以上の受刑者で他の分類者に比べて優遇措置がある。 網走刑務所の刑務作業で受刑者に支給される作業報奨金は、1ケ月平均3,000円、最高額が18,000円、最低の者で400円(平成22年4月現在)受刑者は優遇区分分類により作業報奨金で決められた品の中から自弁品(書籍・洗面用具・下着等)を購入することができる。
受刑者の1日